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あなたとカモミールティーを

【One long night time has gone】後編

こんばんはよー。
ワンコの散歩行こうとしたら雨降っててビックリしました。
雨降るなんて言ってたっけ?
とりあえず傘出してみたけどささずに済みそうかなぁ。
前置きはこのくらいにしまして本日の更新です。

【One long night time has gone】前編の続きです。
あの手は誰の手だったんでしょうね?
あの人しかいないけど(笑)

【One long night time has gone】後編
堂上班 恋人前 革命直前



「笠原、飲み物買いに行くっていつも自分でコーヒー入れてるのに、
何でわざわざ買いに行くんですかね?」
「手塚、本気で言ってるの?」
「えっ?本気って何がですか?」
「くふっ。相変わらず手塚は鈍いね。
あっ、笠原さん飲み物買いに行くのに机の上にお財布置いていっちゃったね。」

小牧の言葉に郁の机を見ると確かに財布が置いてあった。
それもご丁寧にど真ん中に。
仮にも「飲み物を買いに行く」と言ったんだから普通財布くらい持って行くだろう。
例えそれが口実だとしても。
泣きに行ったということぐらいすぐ分かる。
しかし普段ならこの程度で噛みついてはきても泣くことはない。
何かあったのか?

「届けてあげれば、班長?」
「何で俺が行かなくちゃいけないんだ。」

元々自ら行くつもりだったが小牧に言われて行くのは何だか腑に落ちない。
しかし気になると言えば気になる。

「泣いてる笠原さん慰めるのは班長の役目でしょ。」
「は?笠原は飲み物買いに行ったんですよね?」
「それはどう考えても口実でしょ。じゃなかったらお財布忘れないよ。」
「今の泣くところでしたか?」
「うーん。何かあったんじゃない?
堂上がちゃんとフォローしてくれるから大丈夫だよ。ねっ、班長。」
「全く仕方ないな。班長だからな。」

言わずもがなの言い訳をする自分に苦虫を潰しつつ、
郁を探しに財布を持って事務室を後にした。
『班長だから。』
いつかそんな言い訳をしなくても郁を慰めることができるような立場になれるのだろうか。
郁が自分に好意を持っているのは分かる。
だがそれは上官としてなのか異性としてなのか。
そこまではまだ図りきれていない。

そんなことを考えながら郁がいそうな所を頭に描いた。
今日は雨だから流石に外へは行っていないだろう。
となると人目につきにくいアノ階段の陰か。
階段に近付くと押し殺した泣き声がかすかに聞こえてきた。
陰になっている所を覗くと案の定郁がうずくまって泣いていた。
気付くと郁の頭に手を乗せていた。

「もう少し泣いてる女がいそうな所にいろ。」
「べ、別に泣いてませんから。」
「そうか。じゃあその目から流れてるのは鼻水か?」
「鼻水って!女の子に向かって鼻水ってなんですか。」
「お前な、24才にもなって『女の子』はないんじゃないか?」
「うるさいです。」

堂上との言い合いのお陰か知らぬ間涙が止まっていた。

「それで、何で泣いてた?何があったんだ?」

言いながら郁の隣に腰かけた。

「別に何もないです。」
「お前いつもならこのタイミングで泣かないだろう。」
「何でそんなことっー。」
「お前、俺が何年お前の上官やってきたと思ってるんだ。
そのくらいは分かる。で、何があったんだ?」

肩が触れる距離で問い掛けてくるその声はいつもより優しい。
あぁ、この人は心から部下を心配してくれてるんだろう。
県展の時もそうだった。落ち込んでるときは必ず励ましてくれる。
そんな人にこれ以上迷惑かけられない。

「笑わないでくれますか?」
「あぁ。約束する。」

堂上の返事に揺らぎはなかった。
その返事に押されポツリポツリと自分の気持ちを話し始めた。

「私は、堂上教官の自慢の部下になりたいんです。
頼まれたことはきちんとこなせて、教官の手を煩わせることのない部下に。
なのに私はいつも教官に迷惑かけっぱなしで―。
全然教官の役に立てない自分が情けなくて。
明後日の全体集会だってちゃんと出来る自信ないし―。」

込み上げてくる涙を堪えながら話している間、堂上は黙って聞いてくれていた。
郁の話が途切れると今度は堂上が話し始めた。

「笠原、俺はお前を自慢の部下だと思っているぞ。
頼まれたことを完璧にこなすだけがいい部下の条件じゃない。
確かにお前はまだ危なっかしい所がある。書類作りだって苦手だしな。
だがお前にはいい所もたくさんある。
その前向きで真っ直ぐな気持ちはそう誰にも真似できる物じゃない。
それに女子初の特殊部隊隊員としてしっかり任務をこなしてる。
囮捜査で囮になったりな。
茨城の県展でもお前は俺の伝令として最後まで立派だったぞ。
女子寮で1人は大変だったと思うがそれでもお前はヒエラルキーを潰そうと戦ったじゃないか。
お前は紛れもない俺の自慢の部下だ。」

俺の自慢の部下になりたいのになれない。
まさかそんなことで郁が泣いてるなどと思いもしなかった。
『最後まで同じ景色を見ます』
その言葉を聞いたとき、自分が思っていた以上に郁が成長していたことに正直驚いた。
そしてその言葉の通り郁は立派に伝令としての役割を果たした。
確かにバス上の敵を撃ってからは使い物にならなかったのは事実だ。
だが初めて人を撃ったときの反応は誰でもあんなものだ。
ましてあんなに大きな抗争だったのだ。
平常心を保ち続ける方が難しいだろう。
『紛れもない俺の自慢の部下』
お世辞でもなく本心から伝えたその言葉。
向き合って郁を褒めることが照れ臭くつい郁を見ないで話してしまったが郁に伝わっただろうか。

「聞いていたか、笠原。」
「―はい。」
「お前、また泣いてんのか?今度はどうした。」

落ち込んでる郁を励ますために伝えた自分の気持ち。
黙って聞いていた郁がまさか泣いてるとは思わなかった。

「堂上教官が私のことそんな風に思っててくれたなんて思いもしなくて。」
「そんなことで一々泣くな。子どもじゃあるまいし。
だいたい、迷惑だなんて思ってたらとっくに手放してるぞ。」
「それは嘘ですよ。だって堂上教官は面倒見いいじゃないですか。」
「お前、俺は小牧に『過保護』とまで言われてるんだぞ。
どうでもいい部下にまで過保護にするほど俺は暇じゃない。」
「それはそうかも知れないですけど―。」
「ほら、いいから泣き止め。」

そう言って髪の毛をグシャグシャとかき混ぜた。

「ちょっと教官!そんなにグシャグシャにしないで下さい!」
「泣き止んだな。」

ちょっと教官!その笑顔はナンデスカ?
絶対顔赤くなってるって。
これじゃ当分顔上げられない。
そんな心の声を見透かしたかのように堂上はからかってきた。

「泣いたり赤くなったりお前は本当に落ち着きないな。」
「誰のせいだと思ってるんですか。」
「もっとも泣いてるより赤くなってる方がいいけどな。」

俺の前で泣くのは構わない。
だが俺以外の人の前では泣かないで欲しい。
上官という立場だけではそんなこと言えるわけがない。
言いたい気持ちを堪え財布を差し出した。

「ほら、飲み物買うんだろ。財布忘れるバカが何処にいる。」
「ちょっ、バカって!」
「バカだろ。普通口実でも財布忘れるか。」
「口実って何で―。」
「お前は俺が何年上官やってると思ってるんだ。小牧だって分かってたぞ。」
「うそっ!」
「まっ、手塚は気付いてなかったけどな。」

自分がいつもダダ漏れなのは分かっていた。
でもまさかそこまで2人に読まれてるとは思わなかった。
手塚にだけは気付かれなかったということに少しだけホッとした。

「落ち着いたんなら飲み物買って戻るぞ。」
「はい。教官、いつもありがとうございます。」
「まっ、お前の上官だからな。」

『上官』という言葉に胸が痛んだ。
分かっていたけど堂上にとって自分が一部下でしかないということに改めて気付かされた。
少し傷付いたような顔をした郁を見てポツリと「カミツレ茶もうすぐだな」と堂上が呟いた。
その言葉に思わず郁の口元も綻んだ。
そんな郁の頭を軽く叩き「戻るぞ」と事務室へ戻った。

****************************************

「手塚、班長たちちょっと遅すぎじゃない?」
「そうですね。笠原何処まで買いに行ったんですかね。」
「いや、だから飲み物は口実だって―。
もしかして手塚、堂上が笠原さん慰めに行ったこと認めたくないとか?」
「はっ?」

突然の小牧のからかいに思わず声を大きくしてしまった。

「あっ、失礼しました。何言ってるんですか小牧二正!」
「ほら、堂上って笠原さんのことになると必死になるでしょ。
それを認めたくないのかなって思ったんだよね。」
「別にそんなことありません。」
「大丈夫、堂上は手塚の時だって必死になってくれるよ。」
「自分はそんな上官の手を煩わせるようなことはしませんから。」
「そうなの?」
「笠原とは違いますから。」
「でも笠原さんのこと羨ましいでしょ?」
「小牧二正、自分の話聞いてますか?」
「もう少し素直になった方が可愛いよ。」
「全然話聞いてませんね―。」

fin.


なんか上手くかけなかったー。いつもだけど。
ちょっと最後を「頑張れ手塚くん」っぽくしてみましたw
手塚をいじるこまっきーが好きです。
でも微妙に上手く書けなかったorz
そして堂上の自分語りが多い(笑)
軽~くポエマーちっく?
カミツレデート前に浮かれてる堂上と色々落ちてる郁ちゃんって感じになってるのかな?

タイトルはですね、落ちた郁ちゃんが浮上ってことで「夜が明ける」って風にしました。
きっと郁ちゃんは県展が終わり色々考えて悩んで落ちてる期間は長かったはず!
篤さんが好きって気持ちにも気づいたし。
だからあえて「long」はカットしませんでした。
本当はですね、こんな落ちる郁ちゃんを書く予定じゃなかったんですよ。
ジレジレの2人を書きたかったのに書けなかったorz
来週は何か更新できるかな?
節分ネタとか書きたいけど…。
書けたら落としますね♪
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