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あなたとカモミールティーを

【涙の理由】郁Ver.

お待たせしました~。
誰も待ってないとか言わないでね。
【涙の理由】郁Ver.です。
内容は堂上Verと同じです。
視点を変えただけなので(笑)

まだ読んでない方はこちらもどうぞ。
【涙の理由】堂上Ver.
どっちが先でも問題ないですけど個人的に堂上Verを先に読むことオススメです。

堂郁(恋人期間)



グスッ…グスッ。
「どうしよう…。止まらない。」
そう思っていると柴崎が帰ってきた。

「ただいま。」
「ほかへりー。」

そう言って顔を上げると柴崎の動きが止まった。

「あんた何泣いてんの?教官と何かあった?」
「違う違う。ヒック…。これ読んでたら止まらなくなっちゃって。」
「は?本読んでてそんなに泣いたの?流石だわ。あっはははは。」
「そんなに笑わなくたっていいでしょ!」
「ごめん、ごめん。でさー、飯まだでしょ?その顔で食堂行く気?」

言われて初めて気付いた。
せめてご飯食べてから読むんだった。と後悔しても遅い。
まさかこんなに泣くとは自分でも思わなかったのだ。
明日は1日訓練だ。それを考えると夕飯を抜くのは無理。
覚悟を決めて泣き腫らした目のまま柴崎と食堂へ向かった。

部屋に戻りお風呂も済ませるとやはり続きが気になって仕方ない。
ベッドに入り再び読み始めた。
グスッグスッ…。
何とか嗚咽はこらえることが出来たが鼻をすする音はどうしようもなかった。
一気に最後まで読み終え時計を見るといつもの就寝時間をはるかに越えていた。
枕元の携帯のメールランプが点滅していて見ると教官からのおやすみメールだった。
うわっ、メール返しそびれちゃった。
でも今から返したんじゃ迷惑だよね。
「おやすみなさい、教官」と携帯に呟いた。
このまま寝ては翌日大変なことになると分かっていたが急に眠気が襲ってきて意識を手放した。

「笠原、笠原、起きないと朝飯食いっぱぐれるわよ。」

遠くに聞こえる柴崎の声で飛び起きた。

「ブハッ。あんた、その顔酷すぎ!あっははは。
随分遅くまで鼻すする音聞こえると思ってたけどさ。」
「えーっ!気になって最後まで読んじゃったんだよね。
読み終わったら急に眠くなっちゃって。そんなに酷い?」
「教官見たら驚くわよー。はい、鏡。」

恐る恐る鏡を覗き込むと目が恐ろしく腫れている。
これではまるで手塚慧からの手紙を読んだ翌日のようだ。
どうりで視界が狭い訳だ。
どうしよう―。教官心配するよね。
でも本読んでこんな顔になりましたなんて…言えない。

「あら、別に堂上教官に言ったっていいんじゃない?」
「えっ?やっぱりあんたエスパー?」
「自分で喋ったくせによく言うわねー。」
「口に出てた?」
「ばっちり。それより飯行くけど置いていくわよー。」
「待ってよ~。」

朝食の後、なんとか目の腫れを和らげようと対策を考えた。
まずはメイクで誤魔化す。
しかし自分の腕ではそんな器用なことできる訳がない。
その上今日は1日中訓練。
メイクなどもっての他だ。
仕方なく冷たいタオルで冷やし続けた。
しかし今更そんなことしてもたいして効果はなかった。
でも少しでも和らげようとギリギリまで冷やし続けた。
気付くと柴崎は既にいなくなっており、時計を見ると朝礼開始5分前だ。

「ヤバい!教官に怒られる。」

寮から事務室まで全力疾走して朝礼には何とか間に合った。
事務室に入った途端堂上の怒鳴り声が飛んできた。

「笠原!」

怒られると思い肩を縮こまらせたが続いた言葉はお説教ではなかった。

「お前、その顔どうしたんだ?昨日何かあったのか?」
「いえ、何もないです。遅くなってすみませんでした。」
「その顔で何もなくないだろう。」
「大丈夫ですってば。本当になんでもないんです。」
「笠原さんがああ言ってるんだし、堂上ちょっと落ち着きなよ。もう朝礼始まるよ。」
「しかし―」

そこに玄田の大声が響き渡った。

「朝礼始めるぞ。その前に堂上、お前また笠原に何かやったのか?」
「またってなんですか!」
「笠原のこと泣かすのはいいが業務に差し障りない程度にしろよ。」

玄田の一言で火がついたのか事務室は堂上をからかう声で騒然としだした。
しかし今回は全然堂上には関係ないことだ。
どうしよう。泣いた理由は恥ずかしくて言えない。
でも教官は関係ないって言わないと。
そう思い口を開こうとすると堂上の怒声が響いた。

「何もしてないですってば!あんたら今は朝礼の時間だろう!」

静まりかえった事務室でやっと「堂上教官は関係ないです。」と呟いた。

からかわれるほど酷い顔なのかと落ち込んだが鏡を見た限り仕方ないことだと諦めた。
流石に手塚にも心配されたが何でもないと言い切った。
実際、本読んで泣いただけだから自分的には視界が狭い以外何も変わりはない。
しかしそれが逆に不審に写るのか堂上の機嫌がすこぶる悪い。

「おい、堂上二正どうしたんだ?何か機嫌悪くないか?」
「うん、あそこまで機嫌悪いの珍しいよね。私のせいかな?」
「何でお前のせいなんだ?」
「泣いた理由言わなかったからとか?」
「いや、でも堂上二正に限って公私混同することないだろう。」
「うーん、言われてみればそんな気もするかも。昼休み聞いてみる。」

昼休みになり一緒に食べようと堂上を誘おうとすると、
「いい天気だからたまには外で食べよう」と逆に誘われた。
食事が一段落着き機嫌悪い理由を聞こうとしたが先に質問された。

「郁、本当に昨日何もなかったのか?また何か悩んでるんじゃないのか?」
「本当に何でもないですよ。教官心配しすぎです。」
「アホ。俺はお前の彼氏なんだぞ。
そんなに泣きはらした顔で来たら心配するに決まってるだろ。」
「教官とは関係ないことだし悩んでもないですよ。信じてください。」

やっぱり機嫌悪い理由は自分のせいかと思っていると
2人きりの時より更に優しい口調で問われた。

「郁、どうしても話してくれないのか?」

そんな口調で問われ、うっかり答えそうになった。
でもやっぱり恥ずかしい。

「――話せません。」
すると聞いたことないような少し切ない感じで再び問われた。

「俺はお前の彼氏だ。お前が何でもないと言うなら何でもないのかもしれない。
でもな、そんなになるまで泣いたからには何か理由はあるんだろう?
俺はその理由すら聞かせてもらえないくらい信用がないのか?」

教官のこと信用してないわけなんてない。
逆の立場だったら私のことと関係ないって言われてもやっぱり気になる。
言わない私が悪いに決まってる。

「そんな…。教官のこと信用してないわけないじゃないですか。」
「じゃあ話してくれるな?」

けどきっと理由を言ったら教官だって笑うと思う。
でもこれ以上教官に辛い思いさせたくない。

「笑わないって約束してくれますか?」
「約束する。」
「絶対ですよ。」
「あぁ、絶対だ。」

約束してくれた以上話さない訳にはいかない。
そう思い話すことにした。

「昨日、寝る前に本を読んでたんです。それでやっとクライマックスに入ったんです。
遅くなっちゃったんだけどどうしても先が気になって読んでたらすごく泣ける話で――。」
「それで?」
「本読みながら号泣しちゃったんです!
それで読み終わったら急に眠気が来てそのまま寝ちゃったんです!」

恥ずかしかったからいっきに話した。

「クッ…。」
「教官、笑わないって約束したじゃないですか!」

約束したのに笑うなんて…。
そっぽを向くと教官の手が頭に来てくしゃりと髪を触られた。

「別にバカにして笑ってるんじゃないからいいだろ。お前らしいな。」
「は?何処がですか?!」

本読んで泣くのが私らしいってこと?何で?

「お前は元々素直だからな。その上キャラ読みだし。登場人物に感情移入しすぎたんだろう。
というか何でそんなに理由話すの渋ったんだ?」

うっ…それは…。
理由を言うのも恥ずかしいが渋々話した。

「そんな本読んで号泣したなんて恥ずかしくて言える訳ないじゃないですか。
おまけに目の腫れ治そうとして遅刻寸前なんて知ったら教官怒ると思って。」
「当たり前だ。本読んで号泣するのは別に恥ずかしいことではないが、
いくらなんでも今日はギリギリすぎだろ。」
「仕方ないじゃないですか。朝起きたらビックリするくらい腫れてたんですから。」
「俺だってお前の顔見て驚いたぞ。知らない内お前を傷つけたかと思って落ち込んだしな。」

教官がそんなこと思ってたなんて知らなかった…。
私がちゃんと朝のうちに理由を話せばよかったんだ。

「すいません。」
「いや、でも別にお前が悩んだりしたんじゃなくてよかった。ちょっと医務室行くか?」
「へ?何ですか急に。」
「まだ昼休み残ってるし冷やせばもう少しまともな顔になるんじゃないか?」
「あっ、そうですね。ありがとうございます。」
「それから…「心配させたんだから次の外泊覚えておけよ。」

不意な耳打ちに思わず真っ赤になってしまった。

「教官!」
「ハハッ。冗談だ。」
「もうからかわないで下さい。」

午後の訓練は教官の機嫌も戻った。

「それで堂上一正の不機嫌の理由ってなんだったんだ?」
「あっ、そう言えば聞くの忘れた。」
「バカだ。お前はやっぱりバカだ。」
「もう!バカバカ言わないでよ。これ以上バカになったらどうすんのよ!」
「いや、それ以上バカにはならないだろ。」
「うわっ。腹立つー!」
「お前うるさい。堂上一正と昼一緒に食べたんじゃなかったのか?」
「食べたよ。それで聞こうと思ってたんだけど逆に昨日泣いた理由問い質されて、
それ説明してるうちに機嫌直ったみたい。」
「ってことは原因はお前だったのか。愛されてるよな。」
「あ、あ、愛されてるとかこんなところで言わないでよ。」

思わず本気でぶってしまった。

「いてっ!お前自分の力考えろよな。」
「あんたが変なこと言うからでしょ!」
「笠原、手塚!訓練中に何騒いでるんだ!」

教官の怒声と共に拳骨が2人に落とされた。

「いたっ。失礼しました。」
「いった~。何も拳骨落とさなくたっていいじゃないですか。」
「お前たちが騒いでるのがいけないんだろう。」
「堂上教官がいけないんですよ!」
「何でここで俺が出てくるんだ。」
「教官が午前中に機嫌悪くしてたからですよ。」
「それはお前がいけないんだろう!」
「はぁ?何で私なんですか?」
「バハッ。まあまあ、2人とも。クク…。いちゃつくのもいいけど…」
「いちゃついてない!」「いちゃついてません!」
「注目集めてるよ。今は訓練中なんだから。」

小牧教官の言葉に思わず2人でうなだれた。


「それで、訓練中にまた教官といちゃついてたんだって?」
「ブッ!」

思わず飲んでいたお茶を噴き出してしまった。

「汚いわねー。」
「あんたその情報誰に聞いたのよ。」
「小牧教官に決まってるじゃない。手塚も珍しく拳骨食らったんだって?」
「そうそう、手塚が拳骨されるの初めて見たかも。」
「写真撮って売りたかったわー。2人とも人気あるから売れたのにな。」
「人の彼氏を売るな!」
「はいはい。で、教官に泣いた理由話したの?」

そうだった。こいつには朝うっかり口に出して聞かれたんだった。
仕方なく朝の訓練の様子も合わせて話した。

「話さなかったあんたもあんただけどさ、教官もせこい手使って聞いてくるわね。」
「せこい手って?」
「優しい口調とか切ない口調とか。そんなの芝居に決まってんじゃない。」
「えっ?そうなの?教官ひどーい!全然気付かなかった。」
「まっ、それだけあんたのこと心配だったんじゃない。ご馳走様。」

本気で悪いことしたと思ったのに。
心配かけた罰かな。


おまけ

宛先:小牧教官
件名:ご報告
本文:こんばんは。昼間は情報ありがとうございました。
   どうやら堂上教官は演技してまで笠原に理由聞いたらしいですよ。
   訓練中にいちゃついた罰にからかってあげて下さい。
                柴崎

fin.


というわけで郁ちゃんバージョンです。
あまりにも同じすぎだとちょっとなぁと思い午後の訓練を追加してみました。
篤さんに拳骨食らう手塚を書きたかったんです(笑)
そして堂上Verでこまっきーが篤さんが演技したのを知っていたのは柴崎情報でした。
この2人は絶対に情報交換してると思う。
両バージョン書くのって意外と難しいっすね。
次のSSはどうしようかな…。
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