FC2ブログ
 

あなたとカモミールティーを

【いつまでも…】

もうすぐお正月なのでお正月なSSをどうぞ。
多分年内最後のSSです。
短文のはずだったんですけど何か長い?(笑)
前後に分けたほうが良かったかな?
どの長さくらいが一番読みやすいですか?

さて、年明けは何を書こう???
早くもネタ切れだ(笑)
いや、最初からだけどさ。
誰かネタをふって下さい。

堂郁 結婚1年目のお正月



「いっただきまーす。」
「いただきます。」
「やっぱり大晦日は年越しそばだよね。」
「そうか?」
「そうだよー。実家にいた頃は毎年欠かさず食べてたし。寮でも毎年出てたでしょ。」

休館期間中は食堂のおばちゃんが不在のため、
センターから運ばれて来る食事を自分で温めて食べる。
そして31日の夕食は郁の言う通り年越しそばが出ていた。

「お前食べ物のことはよく覚えてるな。」
「ひどーい!食べ物以外のこともちゃんと覚えてるよ。」

そう言って頬を膨らませた。
まるで子どもだと思いつつもそんな郁が可愛くて仕方ない。

「じゃあお前が特殊部隊に配属されたのはいつだ?」
「うっ…。えっとー、正化31年の―。何月だっけ?」
「6月25日だ。まあ、いいから早く食え。伸びるぞ。」
「もう、篤さんの意地悪。」

今年は結婚1年目ということで年末年始の休みを優先的に決めさせてくれ、
1日~3日の3日間を休みにしてもらった。
付き合い始めた最初の正月も優先的に元日から3日間休みをくれた。
そして今日は早番のためこの時間に家で夕飯を食べられている。
なんだかんだ言いつつも心配りをしてくれる上司でありがたいと思っている。

「そういえば郁、何で年越しそば食べるか知ってるか?」
「お正月になるとがっつり食べるからせめてその前は質素に食べなさいって感じ?」
「お前それはどちらかというと七草粥じゃないか?
がっつり食った後に胃を休めろという意味で。」
「そっかぁ。じゃあ何で?」

郁が年越しそばの理由を知らないことに内心驚いた。
話を聞く限り年中行事を欠かさない家で育っているから理由も知っているものだと思っていた。
郁のことだから説明されたが覚えていないだけかもしれないが。

「そんなたいした理由じゃないが細く長く生きられるようにだそうだ。」
「細く長く?なんか微妙じゃない?私だったら太く長く生きたいな。」
「俺もそう思ってたからいつも年越しそばじゃなくて年越しうどんにしてたな。」
「フフッ。それって何か違ーう。年越しうどんって何かゴロ微妙だし。」
「まあな。そんなことより喰い終わったんなら少し寝ておけ。片付けは俺がするから。」

いつも郁はあまり夜更かしをしていない。
しかし今日は郁のたっての願いで元朝参りに行くことになっている。
というのも実家にいた頃は「子どもは早く寝なさい」という母親の言い付けで、
例え31日であっても0時を過ぎるとすぐに寝かされていたという。
そのため元朝参りは行ったことがなく憧れだったようだ。
それを考えると今から少し寝かせておかなければ途中で寝てしまうことも考えられる。
その上元旦は堂上の実家に帰り1泊し、そのまま郁の実家に行き1泊する予定だ。
3連休とはいえゆっくりする時間はない。
今から寝れば3時間は寝られる。
今のうち郁にはゆっくりしてもらいたかった。

「今寝たら起きられない気がするから寝ない。」
「阿呆。俺は寝ないからちゃんと起こしてやるぞ。」
「篤さん寝ないの?じゃあ一緒に起きてる。1人で寝るの寂しいもん。」

あんまり可愛いこと言うな。
寝かせたくなくなるじゃないか。
そう思ったなど郁には言えない。

「仕方ない奥さんだな。一緒にベッドに居てやるから少し寝ろ。」
「絶対起こしてくれる?」
「あぁ、起こしてやる。」
「じゃあ少し寝る。」
「いい子だ。片したら行くから先に寝てろ。」

そう言って頭をくしゃりと撫で軽く唇を合わせた。
素直に寝室に行くと思ったがここでも駄々をこねた。
今日の郁はやけに甘えん坊だ。

「1人でベッドに入るの嫌。一緒にベッドに入りたいから手伝う。」

そう言うと堂上が洗った食器を拭いて食器棚に仕舞い始めた。
使った食器も少なかったからあっという間に片付け終わった。

「郁、今日はやけに甘ったれだな。どうした?」
「ん?何でもないよ。」
「そうか?それならいいが。」

万が一堂上も寝てしまったときのためにアラームを11時にセットして2人でベッドに入った。
ベッドに入ると郁が胸元に頬を寄せるようにして擦り寄ってきた。
そして「篤さん、いなくならないで下さいね」という囁き声が微かに聞こえてきた。
俺が郁のもとからいなくなる訳などない。

「ずっといるよ。」

そう返して手を握り背中を撫でてやると安心したのか顔を擦り付けて目を閉じた。
起きてる時は犬のようだがこうやって眠る姿はまるで猫だ。
しばらく頭を撫でていたが郁の寝顔を見ているうちに知らずに眠ってしまった。

アラームの音で目を覚ますと郁は気持ち良さそうに眠っていた。
そのまま寝顔を見ていたかったが起こさなくては郁に怒られる。

「郁、起きろ。」
「もっと一緒に寝るー。」
「元朝参り行くんじゃないのか?置いていくぞ。」
「行く!」

子どもの様に飛び起きた郁に思わず苦笑いした。

「防寒対策しっかりしたか?」
「ホカロンも持ったし完璧。」
「よし。じゃあ行くか。」

玄関を出ると想像以上に寒かった。

「寒~い。」
「想像以上だな。風邪ひくなよ。」
「うん、多分大丈夫。篤さんもね。」
「多分大丈夫だ。郁、手袋は?」
「忘れちゃった。」

そう言うと郁は恥ずかしそうに笑った。
片方の手袋を郁に渡し、もう一方の手を繋いで堂上のポケットに突っ込むと嬉しそうに笑った。

「郁、出かける度に手袋忘れるのわざとだろう?」
「えへへ。バレた?」
「こんだけ毎回忘れてたらバレるだろう。」
「だって手袋したまま手繋ぐの好きじゃないんだもん。
手繋いで篤さんのポッケに一緒に入るのが好きなの。ダメ?」

小首を傾げてはにかみながら聞いてきた。
そんな表情で聞かれてダメなんて言える訳がない。
堂上とて同じ気持ちなのだからダメと言う気はない。
繋いだ手をポケットに入れると当麻事件の時を思い出す。
あの時は「手袋忘れた」と言い訳してポケットに手を突っ込んだ。
本当は手袋は持っていた。
だが恋人のふりをしているからと言っても当時は上司と部下だった。
手を繋いだ状態以上に寄り添って歩くために白々しい言い訳をした。

元朝参りに向かった神社は少し遠いが官舎からも歩いて行ける所だった。
哨戒で見るときは閑散としているが流石に間もなく0時と言うだけあって行列ができていた。

「こんなに並んでるなんてすごいですね!」
「まぁ、氏神様だからな。」
「うじがみさま?何ですかそれ?」
「この土地の人々を護る神様だ。」
「篤さん何でも知ってるんですね。」
「これくらいは常識の範囲だろ。」
「どうせ私は常識ないですよーだ。」

そう言ってほっぺたを膨らませた。
一体いくつだと思うがそれが可愛いと思ってしまう自分も大概だ。

「そうむくれるな。ほら、もうすぐ年明けるぞ。」
「神社でもカウントダウンするんだね。」

10秒前からカウントダウンが始まった
「「3、2、1、0。」」
「明けましておめでとうございます。」
「明けましておめでとう。」
「不束者ですがこれからも末永くよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしく頼む。」

急に改まった自分達がおかしくて2人で顔を見合わせて笑ってしまった。
気付くといつの間にか境内に入っており、松明の炎が熱いくらいだった。

「篤さん、神社ってパンパン?」
「パンパンって…お前な―。二礼二拍手一礼だ。」
「細かいなぁ。パンパンじゃん。」
「ほら、順番来たぞ。」

2人揃って参拝を済ませた。
普段は何もない境内だが今日はテントで巫女さんがお札や御守り御神籤を売っていた。
その側ではお神酒代わりに甘酒を配っていた。

「篤さん、甘酒配ってるよ。もらっていい?」
「温まるからもらうか。」
「わーい。熱っ。」
「お前火傷するなよ。」
「うん、大丈夫。」

そう言うと子どもの様にふうふうしながら飲み始めた。

「うわぁ、御神籤だって。一緒にやらない?」
「懐かしいなぁ。しばらくやってなかったな。」
「よ~し!絶対大吉出してみせる。」

小さい子のように意気込んで引いたが結果は吉。
続いて引いた堂上は大吉。

「え~!篤さん大吉ずるい~。」
「ずるいってお前自分で引いたんだろうが。」
「そうだけど。私も大吉が良かった。」
「お前子どもじゃないんだからごねるなよ。」

思わず苦笑いして話を逸らそうとお守りに目を向けた。

「ほら、お守り買うか?」
「いいの?」
「お前これくらいでそんなに喜ぶなよ。コレがいいんじゃないか?」

そう言って指差したのは学業守りだった。

「ちょっとー!篤さんの意地悪!どうせ三正になっても図書館業務は苦手ですよーだ。」
「冗談だ。2人で同じやつにするか?」
「うん。やっぱり健康祈願とかかな?怪我しませんようにって健康祈願でいいの?」
「怪我しないのも健康のうちだからいいんじゃないか?」
「篤さん何色にする?」

健康祈願は赤と青の2色あった。

「俺が赤買うわけないだろう。お前は赤にして色違いにするか?」
「うん。どこにつけようかなぁ…。」
「机にでも飾るかな。」
「私も一緒の場所に飾ろうっと。いい?」
「別に構わないぞ。それより、そろそろいい時間だから帰るか?」

時計を見るともう2時近くになっていた。
参拝するのにかなり並んだらしい。

「ホントだ。じゃあ帰ろっか。明日もあんまり寝坊できないからね。
篤さん、今日は連れてきてくれてありがとう。」
「奥さんのお願いだからな。」
「ねえねえ、篤さんは何お願いしたの?」
「郁は何お願いしたんだ?」
「じゃあ、せーので言おう!せーの!」
「郁といつまでも一緒にいられるように。」「篤さんといつまでも一緒にいられますように。」
「同じだな。」
「何か嬉しいな。篤さんと同じ気持ちだと思うと。えへっ。」

寝る前の不安気な様子がまるで嘘のようにニコニコしている。
そんな郁を見ていたずら心がうずいた。

「郁、長生きできる方法知ってるか?」
「早寝早起き!」
「それもあると思うが、毎日キスしてる夫婦はしてない夫婦より長生きらしいぞ。」
「そうなの?」
「医学的な根拠は知らんがな。」
「じゃあ、私たちは長生きできるね。」
「そうだな。たまには郁からもしてくれると俺は嬉しいんだがな。」
「うー。」

結婚してしばらく経つというのに郁からキスしてくれることは稀だ。
不思議と郁はいつまでも初々しい。
そんなことを思っていると不意に「篤さん。」と郁に呼ばれた。
顔を向けると唇に一瞬郁の唇が触れた。
驚いて郁を見ると恥ずかしそうに、だが悪戯に成功した子どものように嬉しそうに笑っていた。
これだからコイツには敵わない。

「ありがとな、奥さん。」
「えへへ。」
「明日は寝不足でもいいか?」
「コラー!」
「冗談だ。」

そんな他愛のない話をしてるとあっという間に家に着いた。
冷えた体を温めるため恥ずかしがる郁を言いくるめて一緒に湯船に浸かった。
どうしてもと言うので風呂場の明かりは点けず脱衣場の明かりを点けた。

体を温めベッドに入るとまた郁が擦り寄ってきた。

「篤さんと結婚出来てよかった。今年もよろしくお願いします。」
「俺もお前と結婚出来てよかった。ありがとな。ほら、寝るぞ。」
「うん、おやすみ。」
「おやすみ。」

そう言っておでこに口づけを落とすと胸に頬を乗せたまま眠りに落ちた。
2人の手は繋がれたまま…。

fin.


軽く伏線を張ってみました。
その後を書きたいなと思って。
あんまり伏線になってませんが(-_-;)
きっとその後は書かなくても支障ないです(笑)
書けなくても問題ないように最初から逃げです(^^ゞ
「ちょっとー!」と「コラー!」はWEBラジオで検閲に使われてたあれです(笑)
使いたくて無理やり入れました(爆)

今年?来年?は私はディズニーでカウントダウンですが、
そうじゃない年は必ず元朝参り行きます。
今年は父と2人で氏神様から初めて7社くらい神社を回って5時過ぎに帰宅しました(笑)
小さい頃は並びながら寝てました。
紅白もいつも途中で寝落ちしてました。
今じゃ考えられません。

SS以外の更新はまだする予定ですのでお暇でしたら是非いらして下さい。
スポンサーサイト



PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する
 

 
 

トラックバックトラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)